——いつまで自分が下だと思ってるの?
思いがけない返しに虚を突かれたあのとき、返す言葉がなくただいたずらな笑顔を取り繕うことしかできなかったのを今でも覚えています。
その言葉はぼくを焚きつけようとか、見栄を張ろうといった他意は一切なく、ただ純粋に思っていることが口をついて出てきたもののように感じられました。
だからこそぼくは恥ずかしさと悔しさが入り混じったような、なんとも言えない気持ちになったのだと思います。
それはぼくの中で師匠がライバルに変わった瞬間でした。
いつも彼の背中を見てブログを書いてきた
ぼくがブログを始めたのはおよそ5年前、大学4年のときです。このブログでも何度か語っていますが、ブログを始めたきっかけは新卒で入社した会社の同期がきっかけ。
個人ブログなんて読んだこともなかった当時のぼく。サーバーやドメインの契約の仕方から、WordPressの設定、文章の書き方に至るまで様々なことを彼から教えてもらいました。
当時から彼はすでに有名ブロガーとして知られる存在。他にブロガーの知り合いがいなかったこともあり、自然とブログのお手本は彼になります。初心者ブロガーのぼくはいつも彼の背中を見てブログを書いていました。
「いつまで自分が下だと思ってるの?」
そうしてブログを書き続けて3年ほど。ありがたいことに読んでもらえる人も増え、始めたての頃に比べると随分と良い記事を書けるようになってきた自負も芽生えてきました。
そんなある日、何かがきっかけでぼくの記事がたくさんの人に読まれた日があったんです。会社からの帰り道にそのことを彼に話していて、その日だけに限ってみればデイリーアクセスを見比べると彼のブログよりもぼくのブログの方が多いことが分かりました。
ぼくはつい嬉しくなって「もうブログでぼくの方が追い越しちゃったんじゃないの?」と冗談混じりで言ってみせました。そのときの彼の反応が、冒頭で書いた「いつまで自分が下だと思ってるの?」という言葉。
変えなければいけないのは自分の意識だった
確かに最初こそぼくは彼に教えてもらう立場。でもいつの間にか彼はぼくを対等なブロガーとして見ていました。対するぼくはいつまでも自分が彼に劣っているという思い込みを持っているのです。
——追い付けなくて当然、少しでも近づけただけで上出来。
彼の背中を追っているつもりが、心のどこかではこんな風に考えている。追いつきたいと思いながら、ぼくはそもそも同じ土俵にすら乗れていなかった。
それ以降、もはや彼を師匠ではなく1人のブログ仲間として、そして心の中で良きライバルとして意識するようになりました。師匠がライバルに変わったそのとき、ぼくは初めて勝負の土俵にあがることができたのです。
彼がブログデザインを変えれば、ぼくも徹夜で勉強し何日もかけてデザインを作り変えました。写真のクオリティに差を感じたら、必要な機材を一式揃えて納得のいくまで何度も写真を撮りなおしました。
ブログ累計900記事に寄せて
少し前にこのブログの総記事数が900になりました。決して驕っているわけではありませんが、長く続けていることもあり最近は同じブロガーの中でもぼくのブログを参考にしたり、目標にしてくれている人もいます。
これはとてもありがたいことですが、他人に憧れていつのまにか自分の可能性を小さくしてしまっては本末転倒。
もしあなたが誰かに憧れを抱いていたとしても「追い付けなくて当然、少しでも近づけただけで上出来」と端から自分を卑下することはしないで欲しいと思います。それはかつてのぼくと同じ轍を踏むことになるから。
ぼくは有名なブロガーの方でもどれだけ駆け出しのブロガーの方でも、全員が同じ土俵で切磋する良きライバルと思っています。そして驕らず卑下せず、良い部分は全力で参考にし、これからも全力で良い記事を書けるように精進していきます。
900記事という節目にあたって、ぼくのブログに対する姿勢を変えてくれた出来事を思い出しながら書いてみました。
あなたには「師匠」と思える人がいますか。そして同時に「超えるべきライバル」として、その人と同じ土俵に立てていますか?
DRESS CODE.では100記事の節目ごとにブログにまつわる振り返りをしています。
・ブログの記事数が累計800になりました!記事数とアクセス数の推移を調べてみた。
前回800記事目のときは記事数とアクセスの推移、そしてその間に起こったことを振り返ってみました。よければ合わせてご覧ください。