DRESS CODE.をお読みいただきありがとうございます! 当ブログを運営するFukulow(@yuta_black)です。
ぼくはファッションアイテムをはじめ身の回りの小物類まで、日々ブログで様々な物を紹介しています。
どれもそれぞれにこだわりがある良い製品なんですが、そのほとんどに共通するのがどれも革製品だということ。
触り心地が良くて耐久性もあり、エイジングによって長く愛着を持って使えるのが革物の魅力。
そんな革製品好きなぼくがこれまで持っていなかったアイテムがあります。それがiPhoneケース。
iPhoneケースだけはiPhone 7 Plus購入と一緒に買ったプラスチックケースや、Palmoというシリコン製のバンパーを使っていました。
今回はそんなぼくにiPhoneケースの老舗ブランド『GRAMAS(グラマス)』から、素晴らしい革製のiPhoneケースをご提供いただきました。
最高品質のケース自体はもちろんですが、『GRAMAS』との出会いにより、ぼく自身これまでにない新しい価値観を得られました。今回はそんなストーリーをご紹介します。
GRAMASの原点は「自分自身が本当に欲しいもの」
GRAMASというブランドがスタートしたのはiPhone 3GSの日本発売がきっかけ。
まだスマートフォンという言葉すら無かった当時、いち早くiPhoneに興味を持ったGRAMAS代表の坂本さんですが、当時はチープなケースしか市場になくその作りにどうしても満足できなかったのだとか。
「自分が作るしかない」
そう感じた坂本さんは当時では珍しかった、スタイリッシュなメタルを使用したバンパーを開発。その後「スーツに似合う」ケースとしてこだわりの本革製手帳型カバーなどを開発しこれが大きな反響を得ます。
このようにGRAMAS製品の根底にあるのは、代表やそこで働く人々の「自分自身が本当に欲しいもの」という気持ち。だからこそ製品ひとつひとつへのこだわりが尋常ではないのです。
今回事前に目黒にあるショールームでブランド広報の方と1時間ほどお話する機会があったのですが、全ての製品にこだわりが強すぎてその場で3時間も話し込んでしまいました。笑
それほど社員1人1人が製品について熱い思いを持っているのです。
シュランケンカーフ レザーケース
そんな「こだわり方が尋常ではない」GRAMASのiPhoneケースを紹介。今回提供いただいたのは「Shrunken-calf Leather Case(シュランケンカーフ レザーケース)」という最高級ラインのケースです。
まずは外観から。ブラックの外箱にゴールドの箔プリントでブランドロゴと製品名が表記されています。
この外箱は写真のように上蓋を持ち上げて開封するんですが、Apple製品の箱と同じように密閉性が高く持ち上げても簡単には空きません。
GRAMASの製品はこうした感覚的な部分にも徹底的にこだわって設計されています。
ゆっくりと上蓋を開けるといよいよiPhoneケースが登場。
開けてまず最初に感じたのはしっかりとした「革の香り」。革工房に入った瞬間に感じる、革と染料とが混じり合った香りが鼻を刺激します。
まずはこのiPhoneケースを語る上で欠かすことができない、シュランケンカーフという革について詳しく説明します。
ドイツの老舗タンナー・ペリンガー社の銘革を使用
シュランケンカーフとは「シュリンク(収縮)」させた「カーフ(生後6ヶ月以内の子牛の革)」のこと。
カーフレザーを鞣すときに革を縮めて独特の収縮シワ(シボ)が出るよう加工した革素材で、中でも特にドイツの老舗タンナーであるペリンガー社製のものをシュランケンカーフと呼びます。ペリンガー社は高級メゾンのHERMES(エルメス)などを顧客に持つ、高級タンナーです。
シュランケンカーフは見た目の上品さだけでなく、革を凝縮させ密度を高めている為しなやかで傷がつきにくく、水分にも強いという美しさと機能性を兼ね備えた素材。
ただし文字通り元の革をシュリンク剤につけて縮めているので、そのまま革を使うときより20%ほど表面積が少なくなります。このため他の皮革素材に比べて価格が高価になります。
GRAMASの作るiPhoneケースはその高価なシュランケンカーフを、贅沢にも全面継ぎ目のない一枚革で使用。最高級と呼ばれるペリンガー社のシュランケンカーフをこの面積で仕入れようとするとかなりの原料費がかかりそう。
「手帳型ケースを何度も開閉してると革の縫い目がほつれたりするのが嫌で。だから耐久性に優れた一枚革を採用しました」とのこと。
世の中にこうしたシボ感のある革はたくさんありますが、実は中にはシュリンク風なだけで型押しでシボを出している物も多いのだとか。
GRAMASのiPhoneケースに使われるシュリンクレザーは、1点1点薬剤で漬け込んで処理してるのでシボの入り方はまちまち。1つとして同じものはありません。
つい冒険したくなる、発色の良いカラーリング
Photo by GRAMAS
シュランケンカーフ レザーケースは全8色展開。
色展開を増やせばそれだけ在庫リスクが増大する中、20,000円近いケースでこのバリエーションはすごい。
どれも本当に発色の良い鮮やかな色味で、いつもは無難に黒を選びがちなぼくですが今回は少し冒険したくなりオレンジを選びました。
本革でここまで鮮やかな色を出すのは本来難しいのですが、シュランケンカーフは発色の良さもその特徴。
革の染色には革を漬け込んで色をつける「染料」と、革の表面に色を塗る「顔料」の2種類があります。
染料は深く色が染まるぶん鮮やかな発色を出すのが難しく、顔料は色表現の自由度は高いですが表面に塗り込みを行うため革の風合いが損なわれてしまいます。
シュランケンカーフはペリンガー社の染色技術でこの2種類の染色方法を組み合わせることにより、革の風合いを保ちながら鮮やかな色の表現が可能なのです。
細部の作りをチェック
ここからはインターフェイス周りや内側など、細かい点を写真で1つずつ見ていきます。
蓋を閉めた表側上部には通話用の穴が空いていて、蓋を閉めたまま通話可能。
裏面のカメラ周り。フラッシュ部分も含め少し大きめにくり抜かれていて、撮影時のケース干渉ももちろんなし。
側面はマグネットになっているので、使わない時は蓋を閉めておけます。
内側は薄いベージュのような色味。上蓋の裏にはカードスリットが1つあるので、Apple Payを駆使してここにクレジットカードを入れておけばちょっとした買い物はiPhone1つで完結しますね。
iPhoneの装着は、レンズ穴の横にあるタブを持ち上げて…
このように上部からスライドさせるようにして装着します。
セットしてみました。手帳型のケースは初めてなんですが、ポケットがあったりとちょっとしたポーチみたいに使えそう。
左右のボタン周りの操作性も損なわれることなく使えます。
スピーカーグリルは部分的に塞がれてしまいますが、ごく一部なので実用には問題ありません。
細部の細部にまでこだわった「へり返し」と「寄せ」
ある製品の良し悪しを判断するのに細部へのこだわりというのは重要な要素。
「神は細部に宿る」というように、細かく地味な部分にこだわっている製品というのは大抵、その他の部分も相応に作り込まれていることが多いからです。
ぼくがGRAMASのiPhoneケースの中でも、特に縁(フチ)の処理にこだわりを感じました。具体的には「へり返し」と「寄せ」の2点。
革の端の部分をコバと呼びます。多くのiPhoneケースはここのコバにゴムのような溶液をベターっと塗るだけで仕上げているものも少なくありません。
それに対してGRAMASは「へり返し」という表革でコバをくるんと囲い込んで内側で縫い付ける処理を行なっています。こうすることで側面から見たときでもデザインに統一感が生まれるのです。
さらにへり返しで内側に囲い込んだ革を縫い付ける際も、角には「寄せ」と呼ばれる、曲線で余る革をギャザーの様に少しずつ寄せて縫い付けていく技法を用いて縫われています。
この「寄せ」は手でシワを寄せて縫い進める必要があり手間がかかる処理ですが、余計な凹凸が残らず仕上がりが美しくなるのです。
この部分に関しても広報の方曰く「革は可動部分のコバが剥がれたりしがち。それが不恰好だからへり返しにしました。寄せの処理も、美しさに妥協したくなかったので」とのことです。
その日のファッションでiPhoneケースを選ぶ
今回GRAMASの方と話していて面白かったのは「スマホケースは今やファッションアイテム。その日のスタイルに合わせて着せ替えて楽しむもの。」ということ。
考えてみるとスマホは必ず毎日身につける物。かつ人前で使うことも多くパーソナルなデバイスなので、きちんとその日のファッションに合わせて選びたいというのは自然なこと。
ぼくはこれまでずっと同じケースを使っていたんですが、美しいGRAMASのiPhoneケースを使ってみてファッションアイテムとしての可能性を感じ、それからはファッションとiPhoneケースの相性を少しだけ意識するようになりました。
例えばこの日はリジッドのデニムジャケットにちょっと無骨なシルバーウォッチを合わせてコーディネート。上品さを残した濃紺のリジッドデニムに、オレンジのレザーケースを差し色として使ってみました。
また別の日はオレンジのシャツと合わせて統一感を演出したりと、これがやってみると想像以上に面白い。
GRAMASのケース以外にも、アクティブな服装の日は以前レビューしたPalmoでスポーティな雰囲気にしたりしても良さそう。
最近は色々とスマホケースを試させていただく機会も増えてきたので、今後は気分やファッションに合わせてケースを付け替えて楽しんでみたいと思います。
ライフスタイルまで変えてくれる、こだわりのiPhoneケース
1つのiPhoneケースですが、語るべきことが多すぎて4000字を超えるボリュームになってしまいました。ここまで読んでいただいた方、ありがとうございます。
GRAMASの方の話を聞いていて特に印象深かったのが、製品の説明をする際に、その主語が全てメーカースタッフであるという点。
- 「ここがすぐに剥がれるのが嫌で、こんな縫製にしました。」
- 「ここのマグネットを閉めるときの「パチン!」という音が良いんですよ。」
1つ1つのこだわりや工夫が”第三者からの要求”ではなく、あくまで“自分たちが感じたこと・やりたいこと”が出発点になっているんです。
冒頭で紹介したようにGRAMASのコンセプトは「自分自身が本当に欲しいもの」ですが、その精神が徹底的にものづくりの姿勢に浸透していると感じました。
GRAMASの製品が長きに渡ってユーザーから選ばれ続ける理由がなんとなく分かった気がします。
このシュランケンカーフ レザーケースはiPhone 7用が17,000円、iPhone 7 Plus用が19,000円とケースとしては決して安くはない製品です。
ただそれだけの品質とこだわりを持って作られてるのは、製品を見れば明らか。
なにより自分の価値観やライフスタイルまで変えてくれるケースというのは、なかなかありませんよ。
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