ぼくは高校時代から世界史の科目が好きで、休み時間はずっと世界史の図表や資料集を読み込んでいる生徒でした。資料を見ながら当時の人々の生活や考えに思いを馳せるのが楽しくて。
数ある国の中でもぼくが特に好きだったのはフランス。資料集に出てくる絵画や建築物が幻想的で、その世界観に魅了されました。
ファッション的にもフランスの古着はぼく好みで、ワークパンツや仏軍のチノトラウザー、フレンチトレーナーなどをかつてはよく着ていました。中間色のような独特な色使いや、ゆるいサイズ感、土臭い雰囲気が可愛いんですよね。
そんなフランス古着を久しぶりに着たくなり、今年の夏前に福岡のフレンチヴィンテージショップ「alconne」でチャイナシャツを1枚購入したのでご紹介。
矛盾するようですがタイプミスではありません。フランス古着のチャイナシャツです。その真相は記事の最後に。
60’sのチャイナシャツ
購入したのはインディゴ染めされたコットンチャイナシャツ。スタッフさんに聞いたところ1960年代のものだそう。
特徴はフロントボタンの作り。チャイナシャツという通り西洋風のボタンではなく、結び目を輪に通す仕組み。幅の広い前たてや丸襟など、随所の作りもチャイナっぽさを感じさせます。
シルエットは身幅に対して腕まわりがゆったり太めの作り。着るとちょっと短めのそで丈と相まって可愛い雰囲気になります。
生地はやや粗めに織られたコットン素材。年月の経過でほどよく色が抜けて淡色にあったインディゴブルーが逆に今っぽい感じ。
絶妙なサイズ感で即購入を決意
古着選びで難しいのがサイズ感。すべて1点ものなので、どれだけ格好良くてもサイズが合わずに泣く泣く断念ということも。
このシャツは試着すると、まさにぼくにジャストサイズ。ちょうどこういう可愛いチャイナシャツを探していたのもあり、気づいたら購入していました。まさに待ってた系の服ですね。
袖をまくって夏もガンガン着たい
実際に着用するとこんな感じ。白Tシャツと合わせて着たり、前を閉めてチャイナシャツ感を強めて着るのも良さそう。
薄手のコットンで見た目も涼しげな色なので、夏でも腕をロールアップしてガンガン着たいです。
移民とともに海を渡りフランスへ
冒頭で書いた通りこのチャイナシャツは1960年代に中国で作られたもの。ただこの服をぼくが買ったのはフランスから買い付けを行なっている、フレンチヴィンテージのお店。
中国で作られた服がフランスで見つかるのは、フランスへ渡った中国系移民が理由。フランスは古くは第一次世界大戦の時代から中国系移民を受け入れ始めるなど、ヨーロッパ最大の華人在住国の1つ。
あくまで予想ですが、このシャツは中国からフランスへ渡った移民のために中国から送られたシャツなのかもしれません。
それを理由づける根拠の1つが、タグに「中国製造 FABRIQUE EN CHINA」と中国語とフランス語が併記されている点。中国とフランスのどちらの国とも関わる機会があるからこそ、このようになっているのかなと。
真相は定かではないですが、こうやって予想しながら昔に想いを馳せるのも古着の楽しさ。見るものが資料集から古着のシャツに置き換わっただけで、高校時代とやっていることはほとんど同じ。人が好きなことって意外と変わらないのかもしれないですね。
- Item:60’s Vintage China-Shirt / Used
- Shop:alconne
- Price:¥20,000 w/o Tax
alconneオリジナルのベルボーイ・ジャケット
今回チャイナシャツを買ったalconneでは、他にももう1着ベルボーイ・ジャケットも買いました。こちらも歴史をこだわりが詰まったお気に入りの1着なので、ぜひ合わせて読んで見てください。