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#私がフィルムカメラを使う理由 | Vol.4 西村拓也さん

スマートフォンに付いているカメラを含めれば、今や誰もが一台は持っているカメラ。写真を撮るという行為は昔よりもずっと身近になりました。

そんなデジタルカメラが主流なこの時代にあって、今でもフィルムで写真を撮ることを楽しむ人がいます。

家電量販店では売っていないし、フィルム1本ごとに現像が必要。1枚撮るのにもお金が掛かる。そんな一見不便なフィルムカメラを好んで使う人は、自分なりのこだわりや理由があるはず。

#私がフィルムカメラを使う理由」は、今の時代にあえてフィルムカメラを使って写真を撮る人に、フィルムカメラの魅力を語ってもらう連載企画。「フィルムカメラに少し興味がある」という人が、一歩踏み出すきっかけとなる連載にできれば。

第4回は写真とライフスタイルについて発信するブログ「No.26」を運営し、奥さんのポートレートを撮り続ける西村拓也さんにお話を聞いてきました。

西村拓也さんは前回の記事で紹介したたけしさんと一緒に、フィルムカメラに関するメディア「365日の残し方」も運営されています。

※このインタビュー記事の写真は全てフィルムカメラで撮影しています。

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使っているカメラを教えてください

今はCONTAX RXPENTAX 67、通称バケペンの2つを使っています。

レンズはCONTAX RXにはPlanar 50mm f1.4、バケペンにはTAKUMAR/6×7 105mmF2.4を付けて使っています。ただこのPlanar 50mm f1.4、バルサム切れしていてモワッと感がすごいんですよね。笑

 

今使っているカメラの気に入っている点はどこですか?

CONTAX RXは色々あるんですが、見た目が1番気に入っているかも。この時代の一眼レフでは個人的に一番好きなデザインです。

CONTAXというブランドが好きで使ってみたいなぁと思い、最初は人気のAriaを探してたんですよ。

ただ調べているうちにRXのデザインに惚れてこっちを選びました。グリップ感があって握りやすくて使いやすいです。

CONTAXはカールツァイスのレンズが安く手に入るので、レンズ選びの幅も広くて楽しいですよ。

PENTAX 67は、、、まぁ重いですよね。笑

InstagramなどでPENTAX 67で撮られた写真の描写を見て引かれて購入したのですが、やっぱり特別感がありますね。現像から帰ってきたときは毎回感動します。

中盤だとハッセルブラッドなどもあったのですが、ウエストレベルではなくアイレベルで撮りたかったのもPENTAX 67を選んだ理由ですね。

 

あなたがフィルムカメラを使い始めたきっかけは?

4年前くらいの夏、実家に帰ったときに親父が使ってたフィルムカメラをもらったのがきっかけです。

その頃はちょうど写真を撮り始めた時期で、その話をすると出してきてくれました。それがこのYASHICA TL ELECRTO Xというレフ機です。

めちゃめちゃボロボロだったんですけど、使ってみると意外と撮れるなって感じたのを覚えています。フィルムは人の肌が綺麗に写るなぁと思いました。

No.26の記事より引用

始めて自分で作ったZINEはほぼ全てこのTL ELECTRO Xで撮影しました。

その後、きちんとフィルムでポートレートが撮りたいなと思って買ったのがCONTAX RXでした。今後はもっといろんなツァイスのレンズを試したいですね。

 

あなたがフィルムカメラを使う理由はなんですか?

どこかでフィルムカメラで撮ったポートレート写真を見ていいなぁと感じたことがあって、その質感を追い求めてるのかもしれません。

あとは自分がデジタルを使うときの、とりあえず数を抑えてその中から良い写真を選び出すという撮影スタイルに飽きていたというのもあるかも。じっくり構えて撮りたいと思ったのかな。

でもデジタルとフィルムの使い分けとかはそんなに決めてないんです。

失敗したくない時や色んなシチュエーションで撮影するときはデジタル、気負わず撮りたいときはフィルムという感じなんでしょうけど、特にルールはなくて正直気分ですね。笑

 

フィルムカメラとデジタルカメラの違いはなんだと思いますか?

まず当たり前ですけどCMOSセンサー(またはCCDセンサー)とフィルムという媒体の違いですよね。

そして両者を比べた時に、フィルムの表現力はすごいなと思うことが多くて。

例えばiPadがディスプレイで紙を表現できるかと言われたら無理じゃないですか。それと同じで、フィルムもやっぱりデジタルでは表現できない描写感や色再現があると思っています。

あとは撮影のテンポかな。具体的には撮影後に結果を見るまでの時間の違い。

デジタルだとその場で撮った写真を見ることで、次の1枚を自然と軌道修正していると思います。

この軌道修正が1枚ごとに入るのか入らないのかで、撮れる写真は変わってくるはず。

テンポという観点からだと、デジタルでも背面液晶を隠して撮影すれば、撮影体験という意味ではフィルムとそんなに変わらないんじゃないかな。

 

好きなフィルムを教えてください

Kodak UltraMax 400Lomography CN 400をよく使います。

個人的な好みもあるんですけどバルサム切れのレンズを使っていることもあって、はっきりと写るフィルムを使わないとモワッとしちゃうという理由が大きいですが(笑)

 

よく利用する現像所を教えてください

山口にある山本写真機店によくお願いしています。透明感があって被写体に合わせた現像をしてくれるところが気に入っています。

割とフィルム本来の写りを忠実に出してくれて、誠実な現像だなと思います。

 

今からもう一台フィルムカメラを買うとしたら、なにが欲しいですか?

Leica M3が欲しいです。シンプルにライカを使ってみたいなというのもありますし、一生使うカメラとして欲しいなと思っています。

あとはレフ機ばかり使っているので、レンジファインダーの不安定感を体験してみたいですね。

 

これからフィルムを始める人にオススメのカメラはありますか?

みんな言ってるけど写ルンですは今だからこそもう一度使ってみるのをオススメします。

結果がすぐに見れなかったり、結構失敗するけどそれもいいと思えたりとフィルムカメラの基本体験が詰まっていると思います。

そこから一歩ステップアップするならNIKON New FM2とかもいいかも。露出計搭載でそれ以外はフルマニュアルなので、カメラを操作する楽しさが分かると思います。あとは丈夫そうだから気楽に扱えるし。

 

最後に、フィルムカメラで撮影したお気に入りの写真を見せてください。

撮影:西村さん

CONTAX RXでのファーストロール。ヤフオクで美品を買ったつもりが実は不良品で、ほとんどの写真がちゃんと撮れていなかった中にあった、最高の一枚。やわらかい光と影が美しくて、大好きな一枚です。

撮影:西村さん

フィルムカメラをよく使うようになってから、差し込む光を探すことが多くなりました。気持ちいい気候の日の、ほっとする一枚。

撮影:西村さん

やたらパキッとしているのは、友人に借りた綺麗なPlanarで撮ったから。少しひやっとした館内の空気感と、上品な老人がカッコいい。

撮影:西村さん

ここからはPENTAX 67で撮影。中判で撮りました!って感じの一枚。全体の立体感がすごいですよね。

撮影:西村さん

ずっと妻を撮ってると、キメ顔ばかりになりがちなんですが、慣れてない67で撮るとちょっと間ができて良い表情で撮れたりするんですよね。

撮影:西村さん

ここからは色んなカメラで。lomo simple useで撮ったやつ。フィルムはlomo 400。とっても綺麗な青が出て「あーフィルム良いな」って改めて思いました。

撮影:西村さん

ヤシカのファーストロールから。花火を堤防で待つ人たちです。絶対ちゃんと撮れてない、と思ってたら撮れてて、空のグラデーションが綺麗で感動しました。

撮影:西村さん

同じくヤシカのファーストロール。所謂「ボツ」な写真かもしれないんだけど、そもそも「ボツ」ってなんだろう?僕はこれすきだなあ、っていうのが生まれやすいのがフィルムなのかな。フィルムの魅力を感じた一枚でした。

 

編集後記:フィルムも好き、デジタルも好き、写真が好き

話を聞いていても端々から「写真が好きなんだなぁ」というのが伝わってくる西村さん。

きっと彼からすればフィルムは特別な存在ではなく、大好きな写真をより楽しむための手段の1つであり、より表現の幅を広げるためのアプローチの1つなのかもしれません。

ぼくももっと写真が撮りたいなと、 取材を終えた帰り道にふとそう思いました。

お話を伺った人:西村拓也さん
Twitter:@takchaso
ブログ:No.26
365日の残し方:https://film365.life/

Vol.3は下記リンクから。

 

あなたがフィルムカメラを使う理由も教えてください

この記事を読んで面白いなと思っていただけたら、ぜひあなたがフィルムカメラを使う理由も教えてください。

Twitterで「#私がフィルムカメラを使う理由」というハッシュタグをつけて投稿していただければ嬉しいです。お話を聞いてみたいと思う方には、インタビューのお願いをさせていただくかも。

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