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当ブログを運営するFukulow(@yuta_black)です。
突然ですが皆さん、今季のファッショントレンドは何か知っていますか。
ここで「ノームコアだ!」と思った方は、惜しい。実はもうノームコアは過去のトレンドになっているんです。
今年の春夏シーズンで最大のキーワードとなっているトレンドは、ずばり『タッキー』。翼の方じゃないですよ。(そっちのタッキーでもないです。)
今回はそんな今アツいトレンド『タッキー』について解説します!
『タッキー』とは何か
タッキーとは英語のTackyからきている言葉です。この「Tacky」という言葉、辞書的な意味は以下のとおり。
(意味)みすぼらしい、安っぽい、見苦しい、悪趣味な、品の悪い
「悪趣味」「品の悪い」など、およそオシャレからはほど遠い字面が並んでいますが、まさにこれこそが今季のトレンドである「タッキー」を端的に言い表した言葉です。
具体的にどんなファッションかというと、攻撃的な柄使いや柄×柄など、ケバケバしさが目立つ着こなしのこと。
Left:Casely-Hayford(Photo by VOGUE) / Right:Dolce&Gabbana(Photo by VOGUE)
Marc Jacobs(Photo by VOGUE)
海外のメゾンブランドも2016年春夏コレクションにこぞってタッキースタイルを取り入れています。
『タッキー』はダサい?
みなさんはこのような『タッキー』スタイル、どう思いますか?
「ダサい」「私はついていけない」と思った方も大丈夫、それが普通の感性です。
というのも本来、主張の強い柄×柄の組み合わせはファッション的にタブー。ともすれば「ダサい」と言われてしまいかねない着こなしです。
しかし一方で『タッキー』に限らずファッションの世界においては、「ダサい」のが「格好良い」という矛盾した考え方は、割と普通にあります。
ナードファッションなどがその最たる例です。
ナード(Nerd)とは日本語で「オタク」「間抜け」という意味。
「オタク」という名の通り、黒縁メガネやパーカー、蝶ネクタイ、ボサボサのヘアなど「ダサさ」の要素を取り入れたファッションです。
日本でも2010年頃に一時流行したナードスタイル。当時はファッション誌『POPEYE』などが中心となって取り上げていた記憶があります。
Photo by FAVIM.COM
このようにファッションにおいては「ダサい」と思われていることが、逆に格好良かったりトレンドになることがあります。
ただ勘違いしてほしくないのは、何でもかんでも「ダサい」要素を取り入れれば良いというわけではありません。おそらく今ナードファッションをしていても、ただダサいだけです。
『タッキー』や『ナード』など、ダサさが格好良く見られるためには、そのトレンドが台頭してきた理由を知った上で、意図的にそのダサさを取り入れる必要があります。
言い換えればファッションを文脈的に捉えるということです。
文脈というと難しく聞こえますが、要は「おれ、敢えてダサくしてるんだぜ感」が必要だということ。
『タッキー』がトレンドになる理由
ではなぜ今『タッキー』が注目されているのか。
それはこれまでファッショントレンドの中心にあった『ノームコア』への反発です。
Photo by agex
ノームコアは「究極の普通」とも訳される、頑張らないのが格好良いというトレンドでした。
この流れは日本だけでなく世界規模のトレンドで、無地のベーシックカラー、ジャストフィット、ラフなデザインなどの服が溢れました。
しかしファッションの最も根底にある原理は「差別化」です。
多くのお洒落ガチ勢と差をつけるため一部のファッションリーダーを中心始まったノームコアですが、今度はノームコアがどんどん大衆に広がり、そのノームコアからも差をつけたいと考えるようになります。
そこで生まれるのがノームコアと対極にある『タッキー』です。
頑張らない、シンプル、無難を至上とするノームコアに差をつけるべく、アクの強い色・柄を組み合わせた攻撃的なファッションを目指すのが『タッキー』なのです。
『タッキー』をおしゃれに取り入れる方法
PRADA(Photo by VOGUE)
ここまで『タッキー』というトレンドの内容、生まれた背景などを説明してきました。
ただいくらトレンドと言えども、派手な色や柄を取り入れるのは難しいですよね。
一歩間違えれば「紫大好き!ヒョウ柄大好き!」な典型的イメージの大阪のおばちゃんになってしまう危険性も。。。
そんな諸刃の剣?なタッキー。オシャレにさりげなく取り入れる為のポイントは以下の2つです。
- 派手な色・柄を顔からなるべく遠ざける
- 派手な色・柄の面積を小さくする。
1.派手な色・柄を顔からなるべく遠ざける
→顔周りというのは人の視線が最も集中する位置。ゆえに顔周りに色柄物を入れてしまうと、どうしても主張が強くなりすぎてしまいます。
派手な柄や色を入れるならなるべく顔から遠い足元やバッグに持ってくるのが◎
2.派手な色・柄の面積を小さくする
→コーディネートの中で面積の大きなアイテムはその分イメージが強くなります。よってトップスやボトムスなどに色・柄を置くと、着こなすのが大変。まずは小さく取り入れましょう。
靴・ソックス・バッグの3点でタッキーっぽさをプラス
これら2つのポイントをまとめて、おすすめしたいのが靴・ソックス・バッグでタッキーな雰囲気を取り入れる着こなし。
特にソックスはメンズでも色々な色柄物が多く売られていて価格も安く、まず初めてみるという人にもうってつけ。
スニーカーとの色合わせだけを考えて選べば、簡単に柄×色のタッキー要素を取り入れることができます。
Photo by WEAR
慣れてきたら足元に加え、バッグにも柄を使ってみてはいかがでしょう。
柄がコーディネートのあちこちに分散することで、少しの柄でも個性を出すことができます。
靴をシンプルにして、ソックスを左右バラバラにしてしまうという個性派テクニックも、タッキースタイルならありかも。
ちょうど同じようなことを、ぼくが普段から購読しているファッションブログ「DECO」さんも書いていました。よければ参考まで。
柄×柄はハードルが高い?タッキースタイルを取り入れるなら足元から
ちなみにオシャレな柄ソックスならスウェーデンのブランド『HAPPY SOCKS』がおすすめ。様々な色・柄のソックスを取り揃える、オシャレソックスの老舗的ブランドです。
トレンドを知れば、ファッションはもうちょっと楽しくなる
「流行」や「トレンド」というと、どこか大衆的で俗っぽい感じがする人も少なくないと思います。
流行りに流されずに、自分のスタイルを持っている方がなんか格好良い感じがしますよね。
しかしそのトレンドが台頭してきた経緯を知り、自分なりに解釈して日々の着こなしに取り入れてみるだけでファッションがちょっと楽しくなるのも事実。
今回のように部分的に少し取り入れるだけでも十分です。
トレンドをことさらに無視するのではなく時には流れに乗ってみたり、時には敢えて波から離れたり。
自分とトレンドとの関係のバランスを取るという意味でも、流行は知っておいて損はありません。
ぼくもそんな風に、寄せたり返したりしながらファッショントレンドという波をを楽しんでいます。
ともあれ今季注目の『タッキー』、みなさんも取り入れてみてください!