ファッションは全体のバランスの総体で作られます。
1つ1つのアイテムの特性を考えながら同じ要素を重ねたり、時にはハズしを加えてみたり。
そうして全体のイメージを舵取りしながら、コーディネートというひとつの完成系を組み立てていきます。
そんなファッションにおいて眼鏡は難しい存在。
眼鏡はの本来的な役割は視力矯正。ただ、外出時に身につける物である以上、眼鏡とファッションを切り離して考えることはできません。
むしろ顔に近いアイテムであるがゆえに、それひとつで印象を大きく左右するキラーアイテムだったりするのが眼鏡です。
視力矯正だけを求めるなら掛け心地の良い物が1本あればいいんですが、ファッションの観点から見るとそうはいかず。
コーディネート全体で表現したい雰囲気に合う眼鏡がなければ、スタイルがチグハグになってしまいます。
逆に服装にバッチリ合う眼鏡があれば、ただの視力矯正器具が最高のファッションポイントに変わります。
眼鏡はそんなコーディネートの成否を分ける、最後のピースなのです。
ロンドンのアイウェアブランド『BLYSZAK』
『BLYSZAK(ブライザック)』というロンドンのアイウェアブランドの眼鏡。
全てブラックメタル素材で作られた、モード感が漂うフォルムです。
ブランド創設は2014年。BLYSZAKの眼鏡は特徴的なオーバルシェイプのもの1型のみをラインナップ。素材はメタルとホーン(水牛のツノ)の2種類がありますが、形はブランドでこれひとつ。
メタル素材とホーン(水牛のツノ)素材でできたものの2種類があります。
今回も行きつけの眼鏡屋「blinc vase」で購入。セレクトセンスは都内随一で、いつ足を運んでも格好良い眼鏡が見つかるショップです。
フレーム自体はシンプルで繊細な印象ですが、鈍く光るブラックメタルの素材が力強さを感じさせます。
緩やかにアーチがかった細いブリッジ。
眼鏡の中心部にあたるブリッジの主張が控えめで、そのぶん左右の楕円フレームが存在感を増します。
テンプルから耳掛けにいたるまで、全てメタル素材。この潔さがいいです。
『BLYSZAK』は全てサングラス
BLYSZAKの製品は全てサングラスとして提案されています。
普段からサングラスは掛けませんが、そのフレームデザインに惚れ込んでしまいました。
迷った挙句、レンズを抜いて眼鏡として使うことに。
スタッフの方にお願いすればレンズを外した状態で試着もさせてくれました。
見た目だけでなく装用感も快適。
蝶番が内側だけでなく外側にも可動するので耳周りに圧迫感がありません。このギミックはTOM FORDなどでも採用されています。
BLYSZAK、格好良いです。
眼鏡レンズをはめて掛けてみた。
ややつり上がりのある美しい丸フレームで、顔まわりに適度にポイントを作ってくれる。やっぱり左右のフレームをつなぐブリッジのミニマルデザインが格好良いです。
単体でここまで力強さがあるので、こういったモード感のあるファッションとの相性は抜群。
ここに丸メガネというのも奇をてらい過ぎだし、スクウェアタイプのものでも堅苦しい。ましてやベタッとした光沢感のあるアセテート素材はコーディネートの重厚感が台無しになってしまい、もってのほか。
これでまたひとつ、ファッションの幅が広がった気がします。