いまぼくらが普通にカジュアル服として身につけている服は、実は軍用服にルーツがあるものが多い。
例えばモッズコートは極寒地での作業時に採用されたジャケットの上から羽織るためのパーカーでした。
ジャケットの上から羽織る前提なので基本的にはオーバーサイズ、さらに初期の型はポケットが貫通していてアウターの上からでも中に着たジャケットのポケットに直接アクセスできるようになっています。
例えばPコートは海兵が海上で着用するために使われた厚手ウール素材のジャケット。
ボタンがダブルで左右どちらを前にしてもボタンが止められるのは、艦上でどちらから風が吹いても風がコートの中に入ってこないようにという工夫です。
こんな風に今ではおしゃれアイテムとして認識している服も、元を辿ればおしゃれとは無縁の過酷な戦地での機能服だったりします。
この記事でご紹介するジャケットも、同じようにちょっと変わったルーツを持った服です。
British Prisoner Jacket
購入したのはかつてイギリスの刑務所内で着用されていた囚人服。おそらく60’sから70’sくらいのものだそう。
コットン素材のシャツジャケットのような服で、春から秋にかけてのちょっとした羽織りとして使えそうな服です。
日本では囚人服といえば横縞のイメージがありますが、イギリスでは縦縞なんですね。
さらにデザインも太いものと細い縞が交互に走る凝ったもので、淡いペールトーンのブルーも爽やかな印象。ぼくがイメージする囚人が着ている服とはずいぶん雰囲気が異なります。
そんなデザイン性の高さもあってか、UKヴィンテージのプリズナージャケットといえば古着市場でも常に人気の高いアイテム。
同柄でパンツと一緒にセットアップ?で販売されていることも多く、年代や状態によっては非常に高値で取引されていることも。流石にぼくはセットアップでは着こなせなさそうですが。。笑
素材はやや厚手のコットンでゴワッとした触り心地。ところどころ糸がほつれていたり毛羽立っているのが、逆にネップっぽい雰囲気でカジュアルさを際立たせています。
小さなシミなどはありますが破れたりといったダメージはなく、総じて良好なコンディションです。
年代物の古着だと無くなってしまっていることも多いのがボタン。ボタンだけ付け直されているケースもありますが、このプリズナージャケットはボタンもオリジナルで全て残っていました。
プリズナージャケットを着こなす
- Jacket:USED
- T-shirt:MAISON MARGIELA
- Pants:UNIQLO
- Shoes:Hender Scheme
- Glasses:Cutler and Gross
紹介もそこそこに早速着用。古着のトップスを着るときはスラックスなどきれい目なパンツを合わせてバランスを取ることが多いのですが、この日は太めのデニムを選んで古着らしいスタイルにしてみました。
大きめな襟やゴワっとした生地感などどちらかというと土臭い雰囲気ですが、淡い色味のおかげでそれが上手く中和されているような気がします。
購入するときに少しだけ迷った点があって、それが袖丈の短さ。他の部分のサイズはジャストなのですが、普通に着ると手首が少し見えるくらいの長さしかなくそれがちょっと格好悪くて。
色々と考えた末に、写真のようにロールアップして着用することに落ち着きました。今の時期なら時計やブレスレットを見せてもいいですね。
横浜のBLAUBERG an der KUSTEで購入
このプリズナージャケットは横浜にある古着&セレクトショップ「BLAUBERG an der KUSTE(ブラウベルグ アン ダー キュステ)」というお店で購入しました。
個性的な店名はドイツ語で「海岸に立つ青き山」という意味だそう。
以前にSundaybestで取材させてもらった栗村さんの行きつけということで教えてもらったのですが、お店も商品もスタッフさんも全部が素敵なお店でした。
お店の写真を撮り損ねたのが残念ですが、店舗の雰囲気がよく伝わる素敵なInstagramを更新されているので、よければ覗いてみてください。
中にシャツを合わせてジャケットっぽく着ても良い感じなので、夏から秋にかけてたくさん着てあげようと思います。
- Item:60’s-70’s Prisoner Jacket / UK Vintage
- Shop:BLAUBERG an der KUSTE
- Price:¥15,800 w/o Tax