世の中にはもう実用性がほとんどないにも関わらず、いまだに概念やイメージとして使われ続けているアイコニックな物があります。
「電話」を表すのには、最近ではとんと見かけなくなった黒電話が今でも使われます。いまの子は存在すら知らないフロッピーディスクが、ファイルの「保存」を意味するのに未だ現役なのもその例の1つ。
同じく例えるならポラロイドカメラもまた、多くの人が写真というイメージと紐付けているアイコニックな存在です。
使ったことがない・使い方すら分からないという人でも、この特徴的なデザインに見覚えがある人も多いはず。かつてはInstagramのアプリアイコンのモチーフとしても使われていました。
Polaroid(ポラロイド)はカメラの名前ではなく、メーカー名を指します。「ポラロイド」と聞いて多くの人がイメージするのは、同社の初代モデルSX-70という機種。
そんなSX-70 Alpha1というカメラを購入しました。
インスタントカメラ Polaroid SX-70 Alpha 1
購入したのは1976年に発売されたSX-70 Alpha 1というモデル。初代SX-70をベースに、三脚穴やストラップホールドを付けて使い勝手を向上させたモデルです。
ポラロイドについて改めて簡単に説明すると、ポラロイドは世界初の商用インスタントカメラ。
撮影直後に写真フィルムが排出され現像が始まり、撮ったその場で写真を見ることができるのがメリット。FUJIFILMから発売されているチェキ(instax)と原理は同じです。
現行のチェキと違うのは、ポラロイドは一眼レフのインスタントカメラであること。光学式ファインダーは、覗くと驚くほどクリア。
撮影に使うフィルムもチェキとは異なります。ポラロイドのフィルムは7.9×7.9cmとかなり大型サイズ。instaxのスクエア版(6.2×6.2cm)と比べてもひと回り以上大きく、迫力ある写真が撮影できます。
SX-70に使われるレンズは絞りはF8固定。焦点距離は情報がなかったのですが、覗いた体感で30mmくらいかと思います。
フォーカスはマニュアルのみで、赤いシャッターボタンの上にあるダイヤルを回してピントを調整します。
露出計が組み込まれていて、シャッタースピードは露出に合わせて自動で設定されます。
右側のダイヤルを回すことで±2EVほどの露出補正も可能。基本的な露出の原理を理解していれば、使うのは意外と難しくありません。
折りたたむと見た目以上にコンパクト
SX-70は撮影時はかなり大きく、手が大きい男性でも両手でワシっと抱え込まないといけないほど。でも使わないときはコンパクトに収納できるんです。
ほら、こんなにコンパクト。多少の重さはありますが、隙間にスッと収まるので意外にも持ち運びに適したカメラです。
購入までの紆余曲折
実はSX-70 Alpha1はぼくが購入した2台目のポラロイド。購入にあたって少し紆余曲折がありました。
もともと存在自体は知っていたぼくがポラロイドに興味を持ったのは、少し前に名古屋に遊びに行った際にふらっと寄ったコメ兵で見たSX-70がきっかけ。
ファッションブランドsacai(サカイ)とコラボした限定モデルのSX-70が中古で置いてあり、それに一目惚れ。そのまま勢いで購入してしまいました。
しかしいざ帰ってシャッターを切ってみると、この通り写真の上部におかしな写り込みが。修理店に持って行ってみると内部のミラーがずれているとのこと。
もともと動作保証で販売されていたので、事情を話して返品。ただすでにポラロイドに魅せられていたぼくは、ネットで買えるポラロイドを探しました。
そこで見つけたのがこのSX-70 Alpha1。三脚穴やストラップ穴もついて、最初に購入した初代SX-70(のリメイクモデル)よりも使いやすい機種です。
そんなわけで最初に惚れ込んだsacaiとの限定コラボモデルではなく、貼り革も当時のままのオリジナルモデルが手元にやってきたのでした。
今回購入して無駄になってしまったポラのフィルムも新しいものを送ってくれたり、コメ兵の返品対応はとても親切でした。
ただ考え方によってはそんなお店が点検をしても、内部の劣化や故障は見落としてしまうということでもあります。
中古のポラロイドを購入する際は、きちんと動作保証の付いているものを選ぶことをオススメします。
SX-70 Alpha 1で撮影した写真
早速フィルムパック1つ分(8枚撮り)を撮ってきたので、ここからはSX-70 Alpha1で撮影した写真を紹介します。
ポラロイドは露出の調整に結構クセがあったり、その日の気温や天気によっても色の出方が変わるそう。まだまだ使いこなせていませんが、失敗もまた絵になるカメラです。
これが最初に買ったSX-70で撮った初めてのポラ。ミラーが写り込んでいるけど、解像感や色の出方はこの1枚目が1番きれいでした。
オーバー気味になったりアンダーになったり、色が大胆にかぶったり。
決して高精細な写りではないですが、写りすぎない余白が思い出を呼び戻し、想像を掻き立ててくれる。特に写真を手にとって見ると、余計にそう感じました。
さぁ、どんな思い出を残そうか
ポラロイドのフィルムは8枚撮りで2,700円。1枚300円以上でつい使うのを躊躇ってしまう金額。
その見た目の美しさに負けないくらい、映し出す絵も美しいポラロイド。せっかく買ったのだから持ち出してたくさん写真を撮ってあげようと思います。
さぁこのカメラでどんな思い出を残そうか。
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40年前のインスタントカメラを買いました!
こんにちは、ポラロイド SX-70。 pic.twitter.com/fl3BsjHp3C
— 平岡 雄太 / DRESS CODE. (@yuta_black) July 8, 2019