突き詰められた男らしさから漏れる色気に魅了された、あの日。

男を表す表現には2種類あります。それが「男臭さ」と「男らしさ」で、前者はネガティブなイメージで使われることが多いのに対し、後者は凛々しい男としての振る舞いを表すのに使われます。

例えば「男臭さ」と「男らしさ」をそれぞれ性的な表現に結びつけるとするなら、エロ気と色気くらいの違いになるでしょうか。

まだ大学生になったばかりだったあの日。ぼくはエロ気と色気との違いをこのブルゾンの中に見出したのでした。

服への価値観を変えた出会い

Nicolas Andreas Taralis（ニコラアンドレアタラリス）という、フランスのモードブランドのジップアップブルゾンと出会ったのはぼくが大学1年生の冬の時でした。確か1月の中頃だった気がします。

ファッションの世界では新年のセールで沸く1月。ぼくも値打ち品を探して大阪・堀江の服屋さんをあてもなく巡っていました。そして偶然入ったAMERICAN RAG CIEというセレクトショップで、セールのラックに掛かっているこのブルゾンを見つけました。

フロントに走る3本のギラついたジップと大胆にカーブしたステッチワーク、背中が貫通した大胆なデザイン、高密度コットンのシャリットした素材感、そしてタイト目なフィッティング。あらゆる点において格好良いそのブルゾンからは、男の色気さえも感じたほど。

セールにてかなり安くなっていたとはいえ、元は定価12万円ほどのブルゾン。ただ値段こそいつも買うより10倍ほど高いんですが、その格好良さは感覚的には10倍よりもはるかに段違いに上回っていたのです。

「同じ布なのにどうしてこの服がこんなに高いの？」ファッションが好きな人なら1度はこんなことを言われたことがあるはず。そんなときぼくは心の中ではいつもこう思っています。「むしろ同じなのは布を使っている点くらいで、あとは全く別物。値段が違って当たり前」と。

思い返せばこの衝撃が、ぼくの洋服に対する価値観を変えてしまったように感じます。散々悩んだ挙句、ついに購入してしまいました。当時のアルバイトの給料が3万円だった頃の話です。

Coordinate Item

このブルゾンが持つ男らしさを最大限引き出すために、ぼくは大抵モノトーン&シンプルに合わせることが多かったです。

また生地自体がムラ染めっぽい質感になっていることもあり、ごちゃごちゃと足し算するよりも引き算で主役にしてあげると魅力がよく引き立ちます。

個人的に着こなしの注意点は中に合わせるインナー。詰まりすぎていると男っぽい雰囲気がなくなってしまうけど、逆に開きすぎていたりVネックだとチャラついた感じに見えがち。

Maison MargielaのパックTシャツのネックラインがちょうどよく、ぼくはよくこれを合わせて着ていました。

上で見たように背中は貫通しているのですが、ストームシールドの部分が2重になっているので背中からインナーが見えるということはありません。

また丈が短めなので、中に着たインナーをブルゾンに対してやや長めにしてあげると全体のバランスが良くなります。

今回販売しようと理由は、見ての通りギャリっと男らしい服なので、最近の気分に対してすこしデザインにエッジが強いなと感じてきたからです。

これはぼくが年齢を重ねたから（購入したのはもう7年も前！）のもありますが、それ以上にライフスタイルの変化も大きいと思います。会社を独立して平日も私服で過ごすようになって以来、打ち合わせも多くよりカジュアルフォーマルな服が必要になり、徐々に着る回数が減ってきました。

ぼくが惚れ込んだこのブルゾン。タンスで眠らせておくよりももっと似合う人に使ってもらいたいと思い、販売しています。

ストレートに、潔く、さらっと着こなしてやってください。

このシャリっとした生地感とギラつくジップが良い

全体的にタイト目なサイジングです

がっつり空いた背中も普通に着てたら見えないのでご安心を。

フロントのジップは3つとも開きます

高密度なコットン素材、グッときます。

着こなしはやっぱりミニマルなモノトーンで

合わせるインナーはクルーネックカットソーがおすすめ

この男らしいバックスタイルに惚れた方、ぜひ。

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