少し前の話になりますが、2019年12月の上旬にオーストラリア・メルボルンに行ってきました。
今回はカンタス航空およびオーストラリア・ヴィクトリア州の合同観光PRの一環として、旅の費用を一部サポートいただき8泊9日の日程で行ってきました。
この旅が決まった時からぼくの中で1つだけやりたいことがありました。それが「旅の写真をすべて中判フィルムで撮影する」こと。
少し前にPlaubel Makina 67(プラウベルマキナ67)というフィルムカメラを購入したばかりというのもあり、どうしてもこのカメラを持って初めてのオーストラリアを写したかったんです。
前回の記事でそんなぼくの旅にかける計画と思いを綴り、フィルムと現像代をPolcaで募ったところたくさんの支援をいただくことができました。
支援いただいた方にはすでに個別にDMでお礼のメッセージをお送りしていますが、改めてご支援ありがとうございました。
こうしてたくさんの人の後押しもあり、カバンに収まり切らないくらいのフィルムを持参してオーストラリアに行ってきました。
この記事ではマキナ67を使って撮影した旅の様子やメルボルンの街並みをご紹介します。ここからはたくさんの写真を中心に紹介していくので、時間がある時に写真集を見る感覚でのんびりみてもらえればと思います。
Scene1 – 美しくてどこか落ち着く、メルボルンの街並み
街の中心を格子状に走るトラムが印象的なメルボルン市街。街中の至るところに植えられた街路樹が燦々と降り注ぐ日差しとぶつかり、美しい木漏れ日を作り出します。近くにはヤラ川という大きな河川もあり、都市と自然がゆるやかに調和しているように感じました。散歩しているだけでも心がふっと軽く優しくなる気がします。
市内からトラムに乗って20分くらいの場所にあるフィッツロイは、市街地の喧騒から少し離れた大人のおしゃれエリア。なぜかビルの屋上にあるバス車内がお店になったハンバーガーショップ「Easey’s」で絶品ハンバーガーとビールを堪能。
Scene2 – 車を走らせグレートオーシャンロードで絶景を望む
メルボルンからグレートオーシャンロードまでの長い道中、良さげな海岸を見つけては車を停めて写真を撮ったり潮風に吹かれたり。ちょうどオーストラリアは初夏の季節ということで、海辺を散歩したり釣りをしたりとみんなが思い思いのことをして過ごしていました。
グレートオーシャンロードの景色はとにかくスケールが大きく雄大。大地が何年ものあいだ波しぶきにさらされ削られることによって、切り立った崖ができています。
そして今回はヘリコプターに乗ってグレートオーシャンロードを空高くから見下ろすという貴重な体験も。空から見るとそのスケールの大きさがよく分かると同時に、決して一目で見渡すことのできない地球の大きさを思い頭がクラクラします。30分ほどのフライトでしたが、自分の中には今でも色濃い思い出として残っています。
Scene3 – 気球に乗って夢心地な空の旅
ヘリコプターに続いて人生で初めて気球にも乗らせてもらいました。ここメルボルンは気球文化の最先端であり、市街地の上空を気球で飛べる世界でも限られた都市の1つだそう。まだ日が昇らない早朝から送風機と火炎放射器でバルーンの中を熱気で満たし、メルボルンの朝焼けの中へと優雅に飛び立ちます。
その瞬間の風や天候を見ながらバルーンの中に送り込む火をこまめに調整して空を舞う気球。加えてカゴには柵もなく命綱もなし。「飛ぶ」というよりも「浮く」という表現の方がしっくりくる、これまでにない感覚でした。おそらくこの体験は一生忘れないと思います。
Scene4 – 異国情緒な活気が漂う、ナイトマーケット
メルボルンの台所、クイーン・ヴィクトリア・マーケットでは夏季シーズンのみ毎週水曜日にナイトマーケットを開催しています。
広い敷地に各国料理の屋台がずらりと並び、アーティストによる生演奏も聴けるワールドワイドな縁日。
屋台料理を堪能する人、ステージの前で踊る人、しっとりと2人で語らう人。夏の熱気も手伝い会場は異様な活気に包まれていました。
Scene5 – LVMHのワイナリーや、クラフトジン工場を巡る
オーストラリアのヤラヴァレーにはLVMHグループのモエ・エ・シャンドンの広大な敷地があり、シャンパーニュ地方と同じ伝統的な製法でスパーリングワインが作られています。
見渡す限りのぶどう畑に併設された施設では、スパークリングワインの試飲や食事が楽しめます。
敷地内の芝生でゆったりとくつろぐ人も。日本で芝生は見るための場所で立ち入り禁止されていることが多いですが、オーストラリアで芝生は寝転がったりサッカーをして憩うための場所なのが対照的でした。
Scene6 – メルボルン州立図書館
「死ぬまでに1度は行きたい図書館」と言われるヴィクトリア州立図書館。ドーム状になった読書室は、中心から放射状にデスクが並ぶファンタジー映画のような空間。6階の廊下からその空間を見下ろすこともでき、フォトスポットとして観光地にもなっています。
旅にはフィルムカメラ
というわけでメルボルン旅の様子を中判フィルム写真を中心に振り返ってみました。
慣れない旅先で頻繁にフィルム交換が発生したり、撮れているか不安な気持ち抱えたまま撮影したり。旅行にフィルムカメラを持っていくのは写真を撮るという意味においては不便です。それが中判フォーマットならなおさら。
でもぼくは写真を撮りに旅行に来ているのではなく、そこでしか味わえない空気や文化、人、価値観に触れるために旅行しています。シャッターを押したらもう自分にできることは何もないフィルムカメラは、旅行中の視点をカメラやディスプレイではなく目の前に景色に向けさせてくれます。
写真は思いっきり旅行を楽しんだ副産物。そのくらいの気持ちで目の前の景色を楽しめば、意外とカメラばかり見ているよりも素敵な瞬間を捉えることができたりするもの。最近の写真との付き合い方はそんな感じ。次にどこかへ行くときも、きっとフィルムカメラを持って。
メルボルン旅の総集編を動画でも
YouTubeでも今回の旅で撮影したフィルム写真を中心に、旅の様子を動画でまとめました。この記事で載せていない写真も掲載しているので、よければ合わせて見てもらえると嬉しいです。
オーストラリアの森林火災について
現在オーストラリアでは大きな森林火災によって、たくさんの人や動植物が大きな被害を受けています。メルボルンに滞在中、現地ではどんな人もみんなぼくら日本人にとても親切で「日本が大好きだ」と口を揃えて言っていました。
これは滞在中にフィルムの現像をお願いしたお店にメールで問い合わせた際に送られてきた返信。拙い英文での問い合わせに対して「Watashiwa nihan Daisuki des.」と日本語で好意を伝えてくれてすごく嬉しかったです。
この記事を読んでオーストラリアの景色を美しいと感じていただける方がいれば、ぜひ災害救助の寄付もしていただけたら嬉しいです。