嬉野市・有田市よりdripを通じて取材依頼を受け、2泊3日で佐賀の魅力を発見する#mediacruiseの取材旅。五感をフル活用して楽しみ切った旅の様子を記事にてお伝えします。
1日目、2日目の旅の様子は下記のリンクから読めます。
今回の取材はぼくが所属する「drip」の他に、「灯台もと暮らし」「箱庭」「cocorone」「さんち」という計5つのメディア合同で催行。同じ取材先を様々なメディアが独自に切り取ることで生まれる違いを、読み比べてお楽しみください。
最終日:未来を創る、嬉野の町を探報
#mediacruise3日目・最終日のデジタル旅ノートはこちら。
最終日は1日目に引き続き嬉野の町めぐり。建設中の新幹線や改装中の古き良きゲストハウスなど、少し先の嬉野の町を体験してきました。
建設中の新幹線の線路
嬉野は2022年に九州新幹線の嬉野温泉駅が竣工予定。
いまは線路の敷設真っ只中ということで、この日はなんと建設中の新幹線の線路に特別に入れていただくことに!
初めて登る新幹線の線路にぼく含め全員が大興奮!天気も快晴でとても気持ち良い。
「新幹線の駅開発に携われる機会ないんて今後そうないじゃないですか。だからいまは楽しくて。」と活気に満ちた顔で語る開発プロジェクトの方。
未来に向けて発展していく町に思いを馳せながら、しばし嬉野の空と風を全身で感じていました。
嬉野の茶畑を一望できる天茶台でお昼休憩
お昼は眺望スポットとしても知られる「立岩展望台」にある天茶台で、嬉野茶を飲みながらお昼ご飯をいただきます。この天茶台は雑誌『Discover Japan』にも掲載されたことがあるそう。
3日目は爽やかな風が吹き抜ける中、嬉野の街を一望しながら嬉野茶をいただきます。眼前に広がる茶畑のようにクリアで旨味のあるお茶🍵#mediacruise pic.twitter.com/u4ARGy5JZC
— 平岡 雄太@DRESS CODE. (@yuta_black) April 18, 2018
眼下に広がる茶畑と嬉野の町を一望しながら、澄んだ青い空の下で飲む冷たい嬉野茶は本当に格別でした。
改装中の古民家コミュニティスペースを見学
次は市内にある改装中の古民家コミュニティスペースを見学。
嬉野ではこうしたもう人が住んでいない家屋がたくさんあり、そうした建物をうまくカフェや地域のコミュニティスペースにしようと官民協働で取り組んでいるそう。
確かに川に面した昔ながらの縁側があったり、まるでおばあちゃんの家に遊びにきたみたいな懐かしさがある古民家。うまく活用できればいいな、完成が楽しみです。
陣野地区の”天空の茶畑”で圧巻の景色に見とれる
茶畑の緑と空の青のコントラストが素晴らしいここは、嬉野の陣野地区という場所。
嬉野の至るところにある茶畑はどこも素晴らしいですが、ここ陣野地区は嬉野でも1,2を争う茶畑の眺望スポットだそう。
小高い丘の上にある通称“天空の茶畑”は、見上げても空以外が視界に入らないほど開放的な場所。
絶好の写真スポットでもあるので、みんなでここぞとばかりに撮影に興じました。楽しい時間だった!
杜の茶室で飲む「品評会茶」に衝撃を受ける
そして最後に訪れたのはうっそうと生い茂る木々の中に閉ざされた茶室。杜の茶室と名付けられたその空間は、神々しささえ感じさせるほど。
そしてこの空間の中で嬉野の「品評会茶」という特別なお茶をいただきます。品評会茶とは1年に1回行われるお茶の品評会用に作られたお茶。
お茶が持つ旨みや個性を最大限に引き出すよう作られた茶葉で、一般に出回るお茶とはまったく風味が異なるとのこと。
早速お茶の力強さがもっとも感じられる1煎目を頂きます。
一口飲んだ瞬間、ぼくは頭が混乱状態に。確かに目の前で茶葉に水を注いで煎じたお茶を飲んだはず。でも舌を通り抜けるこの液体は、ぼくがこれまで「お茶である」と信じていた定義をゆうに逸脱する味なのです。
まず決定的に異なるのが旨味。奥にほのかに感じるというレベルではなく、旨味が最大限の主張をもってぼくの舌の上で舞踏会を繰り広げます。
これほど喉に引っかかるお茶は初めてで、飲むというよりも味わうという表現が正しいかも。その場にいた全員が「これは…ダシだ!」と口を揃えていうほど。
嬉野の森の中の茶室で飲んだ「品評会茶(一般にはほとんど出回らない、茶農家が腕を競う品評会用のお茶)」の味が忘れられない。
旨味がぎゅっと詰まったあれは、もはやお茶ではなくダシに近い。
お茶の奥深さと面白さに気付かされた日だった。コーヒーもいいけどお茶もアツい…!#mediacruise pic.twitter.com/7Opz38yE1P— 平岡 雄太@DRESS CODE. (@yuta_black) April 18, 2018
お茶の持つ奥深さと面白さを、身をもって(舌をもって)感じた最終日となりました。
嬉野の町に吹く、未来の風
建設途中の新幹線、改装中のゲストハウス、そして杜の茶室というお茶の楽しみ方の新しい形。
変わらない嬉野茶という伝統と、変わりゆく嬉野の町や人の営み。文化を守り継承しながらも、それを固持するのではなく今の時代に沿った形に変化させていこうとする人々の思いが嬉野にはありました。
茶畑に吹き抜ける爽やかな風は、そんな嬉野の町に漂う未来の気配を思わせます。
#mediacruise、また行きたいね
「地域とメディアを繋ぐ新しい取材のかたちを実現したい」という目的で始まった#mediacruiseという取り組み。
実際に5つのメディアと合同で取材に赴くというのは新鮮な経験で、なによりとても楽しかったです。
同じ取材先でもメディアによって切り取る角度や伝え方が全く異なるもの。そんな感覚を肌で感じることで刺激を受けたり、自分の感性を客観視できたり。
もちろん仕事ではあるんですが、良い意味で仕事を忘れて佐賀の旅を思いっきり楽しんだ2泊3日でした。#mediacruise、また行きたいね。