先日、人生で初めてフェスに参加しました。
北海道で行われた「Rising Sun」というロックフェスで、石狩に数千人の観客が集まる大規模な野外フェス。
「あぁ、フェスはアーティストと観客が一緒に作り上げるものなんだな」
初めて参加したフェスでぼくが真っ先に感じたのは、そんな会場の強烈な一体感でした。
アーティストが全力で観客を煽り、観客は全力でそれに応える。どちらも「今この瞬間」を最高のものにしようと、前のめりでその情熱の交換行為に参加していく。そんなフェスの持つ魅力を、身をもって感じました。
きっとどちらか一方でも受け身の姿勢であれば、あれほどの熱量を生み出すことはできないでしょう。
いつの頃からか、世の中の流れが物よりも体験に価値を置くようになりました。
音楽の消費の仕方がCDの購入からフェスに変わり、旅行こそが理想のお金の使い方だといわれ、体験型なるイベントが連日開催されています。
かつてファッション誌と呼ばれていた雑誌も、いまでは多くがライフスタイル誌と自称しています。物そのものに対する世の中の関心が、どんどん低下しているようにぼくは感じます。
物と体験。
この2つは決して対立関係にあるものではない、というのがぼくの考えです。というのも物は最高の参加型コンテンツだと思うから。
ーー触れるたびに、使うたびに喜びが湧いてくる。
ーー他の物とどう組み合わせれば魅力を最大化できるか考える。
ーー汚れたら手入れして綺麗にする。
ーー手入れした後の物には少しずつ経年の跡が刻まれていく。
受け身ではなく自ら進んで関与することで物事が体験へと変わるのは、物もフェスも同じではないでしょうか。
手に入れて終わりではなく、手に入れてから始まる物の価値。物を所有するということを突き詰めると、それは「愛しむ」という体験にシフトしていくのだとぼくは思います。
体験にますます価値が置かれる時代に、物を愛しむことを通じて得られる体験を考えたい。
9月のDRESS CODE.の特集テーマは「愛しむ」です。
- Aging Records vol.2
- church’s SHANNONオールソール交換
- DAMUE Custom G-SHOCK 8ヶ月目使用感レポート
- ここから始める。革靴ブラッシングのススメ
- 5年以上愛用しているアイテム#7
9月は「愛しむ」にまつわる上記のような記事を公開予定。買って使っておしまいではない、参加型コンテンツとしての物との接し方を記事にしていければと思います。
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