DRESS CODE.というブログの大きなテーマでもあるのが「こだわり」
『It’s My Sunday Best』は、ファッションにこだわりを持つ人の「とっておきの一品」を教えてもらう企画です。
ファッションは一番外側の中身と言われます。そんな人のもっとも外側にあるファッションを通じて、その人の内面に迫ろうというのが本企画。
“Sunday Best”とは[晴れ着、よそゆき]の意。なにげないように見えるアイテムに込められた、その人ならではの思い入れをインタビュー形式で聞かせてもらいます。
今回お話を伺った人
緑川 航平さん
1998年生まれの19歳、大学生。1年ほど都内のIT企業でオウンドメディアの運営に携わった後、現在は株式会社ドリップでインターン中。先日、個人運営のWebマガジン「ハレカラケ」を創刊。(Twitter:@k_mdrkw / Instagram:@k_mdrkw)
Sunday Best Vol.16はdripでインターンとして日々働いてくれている、緑川くんを取材。今年の頭にdripにジョインしてくれた彼はなんとまだ19歳。Sunday Best史上最年少のインタビューとなりました。
もっとも、まだ10代と侮るなかれ。そのセンスと文章力は年上をも凌ぐほど。入社半年足らずですが1を伝えると10を理解してくれる観察力の高さで、すでにdripのなくてはならない一員になっています。
最近では“手づくり感”のある暮らしをコンセプトに「ハレカラケ」というブログメディアも創刊。始めたばかりでまだ記事数は少ないですが、初心者とは思えない美しい写真と文章で、これからが楽しみなブログです。
そんな彼の持ち前のセンスはファッションにも。難しいアイテムを難なく着こなし、シンプルなアイテムを上質に着こなす彼の日々のファッションを見て、今回Sunday Bestの取材を申し込みました。
緑川さんのとっておき:瀧川かずみのトートバッグ
――今回とっておきの物として選んだ瀧川かずみのトートバッグ、いつ頃買った物ですか?
今年の2月にCATHEDRAL GINZAの受注会でオーダーし、6月のつい先月届きました。だからまだ買ったばかりですね。
――まだ手に入れたばかりなんですね。どういった点に思い入れがあるのでしょうか
この瀧川かずみさんのトートバッグ、実は1年前くらいから存在は知っていてずっと欲しいと思っていたんです。いろんなお店やネットショップを探し回りましたが、どうしても手に入れられずで。
そんなとき偶然受注会が開催されると知り、そこでオーダーしてやっと買うことができました。オーダーしてから手に届くまでの期間も曖昧で結構時間がかかり、本当に手に入れるのが難しいバッグだなぁと思います。笑
そんなこともあり受注会では勢いで色・サイズ違いで2つも買っちゃいました。Library Bag(図書館鞄)と呼ばれる大きいサイズと、Funagata Bag(船形鞄)という小さいサイズ。
――欲しいけどなかなか手に入らない服ってありますよね。具体的にこのカバンのどういう点に惹かれたんですか?
そもそもトートバッグって女性っぽいイメージがあって敬遠していたんですよ。でもこの瀧川かずみさんのバッグはクラフト紙の上から蝋(ロウ)引きすることで、パリッとした表情になっているんです。そんな渋い雰囲気を感じさせる点が気に入りました。
またムラのある特有の色味は、紅茶やコーヒーで染めて色を出しているそうで。そういうところもなんだか生活感というか、日常を感じられるのが素敵だなと感じました。
“しっくり馴染む”ことが愛着につながる
――緑川さんのDRESS CODEはなんですか?
※DRESS CODE=ファッションにおいて大切にしていること
自分の愛着が湧くものを身につけることですかね。愛着を持って選んだ物に囲まれていたいなと思っています。
――緑川さんのいう愛着はどうやったら得られるものですか?
うーん、そういえばきちんと言葉にしたことはなかったかも。例えばその服自体が格好良いとか素材が良いとか、生産背景にストーリーがあるとかそういうのももちろん大切なんですけど。
それ以上に服の着心地だったり、普段の生活の中にきちんと馴染むかどうかみたいな方が自分にとって大切かなと思います。
例えばぼくは「特別な日にだけ着る服」みたいなのは、あまり好きじゃなくて。毎日が普通な日であると同時に、毎日が特別な日だと思うんですね。だから変に背伸びをせずに、今の自分にしっくり馴染むかどうかというのを大切にしている気がします。その繰り返しが愛着になるのかな。
――普段はどういうファッションや服装が好きですか?
基本的に人と被ったりするのがいやな性格で。シンプルだけどちょっとだけこだわりを感じられる服が好きですね。ブランドだとCURLY、crepuscule、AURALEE、Dulcamara、LAD MUSICIANなど、ドメブラを中心に幅広く好きです。
以前はもう少しモード寄りな服装が好きだったんですよね。自分を強く見せたかったというのもあったかもしれません。
ただ、モードってどちらかというと“よそ行き”な服装なんですよね。もっと自分に馴染む愛着を持った服を選びたいと思うようになって、今のスタイルに落ち着いてきました。
Sunday Bestを取り入れたコーディネート
- Denim-Jacket:FACTOTUM
- T-shirt:Fanmail
- Pants:used
- Shoes:adidas
- Bag:Library Bag(My Sunday Best!!)
細身な体型を活かしたシンプルなIラインシルエットのコーディネート。デニムジャケットとTシャツの丈感のバランスが絶妙。
スタイルのアクセントになるのは瀧川かずみのLibrary Bag。ハリのあるパリッとした素材感と大きめなサイズが、シンプルなコーディネートの中で一際目を引きます。
大きめのこのLibrary Bagは主にPCを持ち運ぶ日に使うことが多いとのこと。
- T-shirt:JIL SANDER
- Pants:cheap monday
- Shoes:New Balance
- Bag:Funagata bag(My Sunday Best!!)
- Blacelet:Creema
こちらは少し小ぶりなFunagata Bag使用。全体を淡いペールグレーで統一したワントーンコーディネートです。
人から褒められたことがファッションのきっかけに
――緑川さんがファッションを好きになったきっかけはなんですか?
小さい頃から服に限らず、自分の選んだ物や感性を褒めてもらえることが多くて。その原体験がきっと今ファッションにも影響を与えていると思います。小学生の時は僕が持っているペンケースが必ず流行るみたいな現象がありました。笑
単純に人とは少し違うものを選ぶのが楽しいということから入って、今となってはファッションは自分の価値観や気分を表現するツールかなと考えています。大学でもファッションを通じて友人ができたり、人と人を結ぶメディアみたいな存在でもあるかも。
変わりゆく日々をしなやかに過ごすためのファッション
改めて話を聞いていて、緑川さんはとても感覚的なタイプの人だと感じました。頭で考えたことを1つ1つ言語化するよりも、ファッションや写真など別のもので表現する方が得意なのかなと。
19歳という時期は自分の感性や周囲の人間関係が大きく変わりうる時期。彼にとってファッションは、そんな日々移り変わる気分や価値観を日常的に表現できるキャンバスであり、それを通じて人と繋がり合うシグナルのような存在なのかも。
いつも落ち着いて飄々と掴み所のない彼。多感な毎日をしなやかに過ごす秘訣は、実はファッションにあるのかもしれない。そんなことをインタビューを通じて感じました。この度はインタビューありがとうございました、これからもよろしく。