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#私がフィルムカメラを使う理由 | Vol.3 たけしさん

スマートフォンに付いているカメラを含めれば、今や誰もが一台は持っているカメラ。写真を撮るという行為は昔よりもずっと身近になりました。

そんなデジタルカメラが主流なこの時代にあって、今でもフィルムで写真を撮ることを楽しむ人がいます。

家電量販店では売っていないし、フィルム1本ごとに現像が必要。1枚撮るのにもお金が掛かる。そんな一見不便なフィルムカメラを好んで使う人は、自分なりのこだわりや理由があるはず。

#私がフィルムカメラを使う理由」は、今の時代にあえてフィルムカメラを使って写真を撮る人に、フィルムカメラの魅力を語ってもらう連載企画。「フィルムカメラに少し興味がある」という人が、一歩踏み出すきっかけとなる連載にできれば。

第3回は「たけさんぽ」というブログを運営し、定期的にフォトウォークイベントを開催しているたけしさんにお話を伺いました。また「365日の残し方」というフィルムカメラのメディアにも携わっています。

※このインタビュー記事の写真は全てフィルムカメラで撮影しています。

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使っているカメラを教えてください

CONTAX T2の60周年記念モデルを使っています。RECOの記事を読んだのをきっかけに、CONTAX T2が欲しいなぁと思うようになりました。

数あるT2の中でも60周年モデルを選んだのは、BiSHというアイドルのセントチヒロ・チッチがこのカメラを使っていたから。

チッチの大ファンなので「せっかく買うなら60周年記念モデルのT2が欲しい」と思い、2年ほどずっと探し続けてようやく状態の良いこのカメラを購入しました。

 

今使っているカメラの気に入っている点はどこですか?

CONTAX T2を使う人はみんなそうだと思うんですけど、やっぱり常に持ち運べるこのコンパクトさはいいですよね。平日も休日も、常にバッグに忍ばせています。

あとは見た目も可愛い。こんな見た目なので被写体から警戒されることなく人の生活を撮れるのも気に入っている点です。

オートフォーカスが使えるのも、生活の中で片手でパッと構えて日常感のある写真が撮りやすい。

撮影:たけしさん

描写に関しては、独特の周辺露光落ちがフィルムならではのエモい雰囲気。明るい写真が好きで、大体いつも露出補正を+1にして撮っています。

 

あなたがフィルムカメラを使い始めたきっかけは?

デジタルカメラを始めて自分でLightroomで現像しだしたくらいの時に、フィルムの色味に興味を持ったのがきっかけです。たしか3年前の2016年くらいですね。

撮影:たけしさん / PENTAX SP

そこからPENTAX SPというカメラを購入して、デジタルを使ったりフィルムを使ったりしていました。

今使っているCONTAX T2を買ったのが2018年末で、それからはフィルムで撮影する頻度がグンと増えました。

 

デジタルとフィルムカメラをどのように使い分けていますか?

デジタルとフィルムの使い分けの基準は「撮影量」と「責任」ですね。

頼まれ仕事での撮影や、量をたくさん撮影したいときはデジタルを使います。ちなみにデジタルはFUJIFILMのX-Pro2を使っています。

それ以外、日常で撮る写真はもうほとんどフィルムで撮影しています。

 

あなたがフィルムカメラを使う理由はなんですか?

やっぱりフィルムの色味や描写ですね。露出が高めで少し温かみがあって、自然な彩度の明るい写真。

私が最初にフィルムに興味を持ったのも、フィルムで撮られたこんな写真を見て良いなぁと思ったのがきっかけでした。

デジタルは高精細なんですがそのぶん「画素感」がある気がしていて、フィルムカメラの「手触り感」みたいなのも好きですね。あとはブレた写真でも許される懐の広さとか。

きっかけはそういう写真の描写だったのですが、実際にフィルムカメラを使っていくうちに、撮影フローのテンポも自分に合っているなと思いました。

デジタルはたくさん撮って選定して、色味を調整して〜というプロセスがどうしても面倒なんですよね。撮影枚数が多くなると写真を撮る楽しさよりも、管理の大変さが大きくなってきて。。

自然と写真の溜め込みグセがついて、Lightroomには未現像の写真が大量にあります。笑

その点フィルムはすごく気楽なんですよね。撮ってお店任せで現像したら、もうデータ化までされている。この手軽さが気持ちよかったんです。

溜め込まず一定の周期で写真を整理するので、フィルム1本ずつで学習サイクルができるのも良いなと思います。

最近ではフィルムのこの手軽さにすっかり魅了されて、デジタルもJPG撮って出しが多くなったりと、撮影フローがどんどん短くなってきました。

撮影後の編集の話にも通づるんですけど、フィルムカメラは刹那な感じがするんですよね。デジタルは後から大胆なトリミングや色の調整ができますが、フィルムはそれができない。

その時にしか撮れなかったものが写っているのがフィルム写真なんじゃないかな、と最近は思います。

 

好きなフィルムを教えてください

FUJICOLOR 業務用 100フィルムを露出補正+1にして撮影することが多いです。

業務用フィルムは価格が安いので、1枚あたりのシャッターが軽くなるんですよね。結果的に撮影枚数が多くなっていい写真が撮れる確率が上がる気がします。

撮影:たけしさん

ISO 100の割には粒状感があるんですが、それがまたフィルムっぽい。

次によく使うのはFUJICOLOR PRO400Hですね。このフィルムが粒状感がきめ細かくて、彩度はやや低めで落ち着いたトーンの描写になる気がします。

撮影:たけしさん

日常的な写真が好きでよく撮ることもあり、FUJIFILM製のフィルムの方が好みかもしれません。

現像所はヨドバシカメラやカメラのキタムラを利用しています。フィルムそのものの個性を見たくて、今はあえて量販店のおまかせ現像にしています。

 

好きな写真家を教えてください

日常感のある写真家が好きなので、川島小鳥さんや濱田英明さんが好きです。

 

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Paris, France, 2015-2018 #pentax67 #distantdrums遠い太鼓 #2019年7月出版予定

Hideaki Hamadaさん(@hamadahideaki)がシェアした投稿 –

あとはソール・ライターというニューヨークの写真家も好きです。カラー写真の先駆け的な写真家なのですが、構図や被写体の切り取り方が斬新です。

 

これからフィルムを始める人にオススメのカメラはありますか?

フィルムカメラに興味を持った人にまず進めるとしたら、やっぱり「写ルンです」ですね。

プラスチックレンズがついた独特の描写は、写ルンですでしか出せないんです。

友人と一緒に写ルンですやフィルムの専門メディア「365日の残し方」も運営しているので、合わせて見てもらえると写ルンですの良さがきっと伝わると思います。

写ルンですからさらにステップアップしたいと思ったら、ぼくも使ってたPENTAX SPも良いと思います。数千円で手に入る扱いやすいカメラで、1/1000シャターが切れて使いやすいはず。

撮影:たけしさん / PENTAX SP

撮影:たけしさん / PENTAX SP

M42マウントは安価で良いレンズが豊富なので、いろんなレンズで撮影が楽しめるのもポイントです。

 

最後に、フィルムカメラで撮影したお気に入りの写真を見せてください。

撮影:たけしさん

京都の嵐山で撮った写真です。デジタルならハイライトが飛びかけてるような状況かと思うのですが、フィルムのラティチュードの広さのおかげでいい感じに撮影できました。

撮影:たけしさん

大阪の道頓堀で撮った写真で円形フレアの出方が好きです。カメラはGR1sを使いました。

撮影:たけしさん

撮影:たけしさん

路面の雨の質感やジメッとした感じが気に入っています。

 

編集後記:もっと『撮る』ことを楽しむために

たけしさんは普段からたくさん写真を撮るタイプだそうで、お話を伺ったときに聞いた「もっとシンプルに『写真を撮る』ということを楽しみたいんだよね」という言葉が印象的でした。

たけしさんにとってフィルムを使うということは、『写真を撮る』ことをもっと楽しむための工夫なのかもしれません。

お話を伺った人:たけしさん
Twitter:@_takesanpo
ブログ:https://takesanpo.com/
365日の残し方:https://film365.life/

Vol.2は下記リンクから。

 

あなたがフィルムカメラを使う理由も教えてください

この記事を読んで面白いなと思っていただけたら、ぜひあなたがフィルムカメラを使う理由も教えてください。

Twitterで「#私がフィルムカメラを使う理由」というハッシュタグをつけて投稿していただければ嬉しいです。お話を聞いてみたいと思う方には、インタビューのお願いをさせていただくかも。

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